福留→中日、内川→ヤクルト レジェンド2人の思惑と勝算
福留の加入でチーム注目度が高まれば
入団は決定的だという。
中日は、阪神を自由契約になった福留孝介(43)と近日中に入団交渉を行う。福留にとっては2007年まで在籍した古巣。中日時代は3度のリーグ優勝と1度の日本一を経験し、首位打者を2度獲得するなど中心選手として活躍した。中日OBが言う。
「何よりフロントが獲得に熱心です。日米球界での実績と経験は球界随一。来年は44歳になり、左の代打としての起用が基本線になるが、全盛期のプレーはできないまでも、今季は阪神で多くの出番が与えられたとは言い難く、まだまだ戦力になるはず。同じ釜の飯を食った選手やコーチがいるのも心強いだろう。後輩選手に日米での打撃や守備の経験を伝えることで、チームの底上げにもつながるのではないか」
営業面での効果も期待があるようだ。中日は「ミスタードラゴンズ」の立浪和義氏を来春キャンプで臨時コーチとして招聘することが決定し、話題になっている。福留が選手として入団すれば、ユニホームなどのグッズの売り上げや観客動員のプラス効果が少なからず見込める。
前出のOBが言う。
「中日は今季、コロナ禍の影響で本拠地の1試合平均の観客動員が6300人にとどまった。球団社長が納会の席で厳しい経営状況を説明したほどで、これが契約更改のゴタゴタにもつながっている。福留の加入によってチームへの注目度が高まり、後輩選手に刺激を与えることができれば、チーム力は上がる。今季は8年ぶりのAクラス入りを果たし、エースの大野も残留。来季の優勝を期待するファンも多い。チームが強ければ観客動員は増える。好循環を生む起爆剤になるかもしれない」