福留→中日、内川→ヤクルト レジェンド2人の思惑と勝算
内川は両リーグ1000安打達成にも意欲
「プロ野球始まって以来の好打者だ」
ヤクルト監督として黄金時代を築いた野村克也氏が生前、こう絶賛していたのが、昨8日、ヤクルト入りが決定した前ソフトバンクの内川聖一(38)のことだ。
通算2171安打を放ち、首位打者を2度獲得。08年には右打者史上最高となる打率・378をマークした。ソフトバンク時代は7度の日本一を達成するなど、勝ち方も知っている。本人は大杉勝男と落合博満、和田一浩の3人しか達成していない両リーグ1000安打達成への意欲もあるという(残り55安打)。
さる球界関係者は、「横浜時代の恩師である杉村打撃コーチの存在が決め手になった」と続ける。
「ヤクルトで青木や山田らを育てた杉村コーチは、内川が08年に首位打者を獲得した際の横浜の打撃コーチ。内川は右打ちの技術にたけているが、当時は打つポイントが前で、引っ張って長打を狙う傾向があった。その分、ツーシームなど曲がりの小さい動くボールを引っかけ、凡打するケースも少なくなかった。そこで杉村コーチは『より手元までボールをひきつけ、広角に打て』と指導。これが打撃開眼の契機となった。球団としてはプレーだけでなく、将来が期待される広岡や塩見といった右打者に対し、打撃技術や野球の取り組み方を還元してほしいとも考えています」
さらに放送関係者は、「内川の父親は神宮を本拠地とする東京六大学の法大で一塁手だった。その点に親しみを感じている。奥さんはフジテレビの元アナウンサーで、ヤクルトなら慣れ親しんだ東京で生活できることにも、メリットを感じたそうです」と話す。
2人のレジェンドは新天地でもう一花咲かせることができるか。