今年の大阪国際女子は「マラソンにあらず」元陸連幹部激怒
コース変更といえば、今年の箱根駅伝予選会(昨年10月)は、市街地コースから陸上自衛隊立川駐屯地内に変わり、1周約2.6キロのコースを約8周したことが話題になった。
ある実業団OBが言う。
「公道を使わない周回コースなら運営スタッフなどの数も大幅に減らせるので感染リスクは少ないものの、2.8キロのコースを15周というのはマラソンとは異質な競技です。公道を42キロ走ることが原則のマラソンと、駅伝の予選会とはまったく話が違う。確かに五輪も経費などの面から2012年ロンドン大会から周回コースが登場した。札幌移転した東京五輪のコースも周回です。でも、札幌は約20キロを1周してから約10キロのコースを2周なので、まだ許容範囲です。大阪には五輪代表の前田(穂南・24)や一山(麻緒・23)が出場する。2.8キロコースを15周なら本番につながる材料はないですよ」
元陸連副会長の帖佐寛章氏(現顧問)もおかんむりだ。
「第1回(2009年)の横浜国際女子マラソンは市内中心部の約13キロのコースを3周する陸連主催の初の周回だった。私は強く反対したが、押し切られた。アテネ、北京五輪銀メダルのキャサリン・ヌデレバ(ケニア)から『これはマラソンではないですね』と言われたものだ。2.8キロのコースを15周と聞いて驚いたよ。これもマラソンではない。名称はロードレースにするべきだ」
ここまでマラソンの「形」を崩して大会を行う意味があるのだろうか。