スキー世界選手権 日の丸飛行隊復権の鍵はレジェンド外し
ノルディックスキー世界選手権(ドイツ・オーベルストドルフ)ジャンプの団体種目が日本時間27日未明の女子を皮切りに、男女混合(29日)、男子(3月7日)の3種目が行われる。
2022年北京冬季五輪では、過去3個メダルを獲得している男子に加え、新たに正式種目に採用された混合で表彰台の期待がかかる。特に前回の平昌大会で6位に終わった男子は、14年ソチ大会(銅)以来のメダル獲得を目指している。
18―19年のW杯個人総合王者でエースの小林陵侑(24)に加え、今季は佐藤幸椰(25)がW杯で2度の頂点に立って飛躍を遂げた。小林、佐藤の2トップ中心に臨むことになるが、2人に次ぐ選手の力不足は否めない。
そこで、代表入り(4人)のチャンスが十分にあると踏んでいるのだろう。W杯最年長表彰台記録(44歳9カ月)を持つレジェンドこと葛西紀明(48)も、9度目の五輪出場に色気を見せている。
昨年5月に強化指定を外れ、日本代表入りの前提となるW杯メンバーからも漏れたベテランジャンパーは今季、国内の大会を転戦。今後の結果次第では代表復帰にわずかながら望みがある。昨年12月にはコロナ禍により、日本連盟が一度は選手の派遣を見送ったW杯の下部大会であるコンチネンタルカップ(スイス他)に個人資格で出場するなど、国際舞台への復帰を諦めていない。
五輪出場8度の最多記録を持つ葛西の経験は貴重だが、実力の衰えは明らか。実力でも話題性でもレジェンドをしのぐ若手が台頭しないようでは日の丸飛行隊のお先は真っ暗だ。
葛西に代表入りの余地を与えないことが北京でのメダル取りにつながる。