山内一弘さんから私服のまま40分間“熱血打撃指導”を受けた
庭に通されると、山内さんが現役時代から使っていたであろう打撃用のネットがあった。早速、身ぶり手ぶりでの指導が始まった。
山内さんからは主に、スイング時の腕の使い方、ひじの抜き方について助言をもらった。私服のまま、一心不乱にバットを振った。素振りをし、トスも上げてもらった。
■「かっぱえびせん」の異名
私の打ち方にしっくりくる感じで気持ちが乗ってくる。時間にして30~40分。私服が汗でびっしょりになった。山内さんが熱心な指導で、やめられない止まらない「かっぱえびせん」との異名を取っていたことは、後々知った。
練習に付き添ってくれた落合さんは予想通りといった感じで、「山内さんの(手首の)ハンドリングや腕の使い方がおまえに合うんじゃないかと思った」と言う。右打者だった私は、左でどうやって打てばいいのかさえ、わからないような状況だった。左腕の使い方、右ひじの抜き方……。山内さんの言葉を思い返しながら、ひたすら練習に打ち込んだ。こうした打撃の課題は、当時の打撃コーチである高畠導宏さんからも指摘されていたことだった。山内さんの自宅へ伺ったのは一度だけだったが、大いに参考になった。