中日に思い切って仕掛けた第7戦初回のバスターエンドラン
16年間の現役時代、2位が3度あった以外はBクラスだった。選手は個々に良いものを持っていても、勝ちへの意識が薄く、一体感に欠けていると感じていた。ただ、稲尾和久監督、バレンタイン監督時代に2位になった時は、個々の選手が力を発揮しやすい雰囲気があったことも確かだ。
私はまずは個々の選手が成績を残した上で、チームとして機能させることに注力した。気持ちの切り替えの大切さを伝えるだけでなく、ミスをして落ち込んだり、壁にぶち当たったりする選手にどう接するのか。頭ごなしに指導したり、ただ厳しいだけでは選手がヤケになったり、腐ったりしかねない。前向きな気持ちでいるからこそ上達も早くなるという思いでコーチ時代からやってきた。
その点で、指導者としてお手本と呼べる恩人がいる。プロ1年目のスイッチヒッター挑戦の土台をつくってくれた高畠導宏さんだ。 (つづく)