新聞6社がそろって「オフィシャルスポンサー」の異常事態
新型コロナウイルス感染拡大下の東京2020オリンピック・パラリンピック大会に対し、大会スポンサーの「オフィシャルパートナー」を務める朝日新聞が5月26日朝刊の社説で菅義偉首相に中止を迫った。
国内の新聞やテレビのオリンピック報道は「大政翼賛会」の再来との批判が出ている。政府と組織委員会、東京都、国際オリンピック委員会(IOC)は具体的な“安全安心”の根拠を示さず開催に拘泥。一方、新型コロナが収束せず、政府の各種制限に伴う景気悪化に苦しむ国民の過半数は、オリンピック優先と開催に伴う感染爆発を恐れ、各種世論調査で中止を求めた。それでも、国内メディアは海外メディアの懸念報道紹介でお茶を濁してきた。
朝日は社説と裏腹にスポンサー継続を表明。その後、読売と産経は社説で開催を主張。開催の是非に触れない社説を5月23日付紙面に載せた毎日と日本経済新聞、北海道新聞は静観を決め込む。
■報道の中立に疑念
この新聞6社は朝日、読売、毎日、日経がオフィシャルパートナー、産経と道新が1ランク下の「オフィシャルサポーター」を務める。日本の大手紙がそろってオリンピックのスポンサーになった例はなく、コロナ禍のオリンピック報道の中立性に疑念を招いた。