夏の甲子園は無観客、地方大会はコロナ禍で辞退続出…高野連と朝日新聞のご都合主義
「いろいろな考慮の結果、総合的に判断しました」
21日、日本高野連の八田会長は、8月9日開幕の夏の甲子園を無観客開催とすることを発表した。有観客開催を目指していたが、東京五輪が一部競技を除いて無観客となったことなどを考慮したという。
その一方で、「ふるさと応援団」として、出場校の選手の家族や関係者、OBから各校最大2000人の入場は許可する。
「春のセンバツは上限1万人で有観客開催したが、東京五輪が無観客にもかかわらず甲子園に客を入れ、感染者が出た時の批判を恐れたといいます。とはいえ、1試合あたり計4000人を動員すれば、全国から人が集まることに変わりはない。実に中途半端です」(放送関係者)
各都道府県の地方大会は現在、有観客で行われている。甲子園大会には全国から人が集まるとはいえ、主催の高野連や朝日新聞は有観客開催のノウハウを持っているはず。世界から選手、関係者が集まる東京五輪と同列にする必要があるのか。社説で五輪反対を訴えながら、スポンサーとして五輪に協賛している会社らしい「ご都合主義」と言うほかない。
救済措置の想定ナシ
地方大会で続出するコロナによる出場辞退問題も波紋を呼んでいる。
鳥取の米子松蔭は、学校関係者1人のコロナ感染が判明したことで、17日の試合を辞退した。しかし、学校が県高野連に再出場の救済措置を求める嘆願書を提出。主将がツイッターで出場を懇願したことで一転、21日に再試合が組まれた。22日には大阪の成城が野球部員以外の生徒がコロナに感染。学校が休校となり、この日の香里丘戦は中止となった。出場辞退も検討されたが、同日、野球部員に感染者と濃厚接触者がいないことがわかり、翌23日に再試合が組まれた。
「これはあくまで『特例』です」とは、関西地方の高野連関係者。
「地方大会開催にあたり、日本高野連は各都道府県高野連にガイドラインを配布。休校中の学校は出場不可とした。学校は休校になると原則、野球部の活動も休止しなければならない。これに準じた形です。米子松蔭や成城は休校が解除されたことで再試合が認められましたが、都道府県ごとに確保している球場数や予約期間が違う。日程に空きがなければ再試合を組むことはできず、辞退せざるを得ない。一律に対応できないため、不公平が生じるのです」
コロナによる辞退の問題は、大会前から懸念されていた。
「日本高野連はコロナで休校になった学校の試合延期等の救済措置を想定していない。辞退を防ぐための対策を立てていないと言わざるを得ません。例えば大会期間の日数を増やし、予備日を増やせば再試合を組みやすくなるはずですが、高野連は『学業に支障をきたす』と乗り気ではない。そもそも夏の地方大会は授業を休んで出ているにもかかわらず、都合がいい時だけ、『教育』や『学業』という言葉を持ち出すのです」
とは、ある強豪校の野球部監督だ。