【重量挙げ】59キロ級・安藤美希子は不遇を乗り越え銅 日本勢唯一のメダル獲得
メダル獲得を有力視されたウエートリフティングに、ようやくメダリストが出た。
女子59キロの安藤美希子(28)がスナッチ94キロ、ジャークで120キロのトータル214キロを挙げて銅メダルを獲得。今大会は同49キロ級の三宅宏実(35)が後半のジャークで3回連続失敗し、記録なし。同55キロ級の八木かなえ(29)が11位に終わった。最後に登場した安藤が表彰台に立ち、日本女子に3大会連続のメダルをもたらした。
安藤はリオ五輪以降、2017年世界選手権4位、新階級に変わった59キロ級では19年の同大会で5位に入った。世界のトップリフターに君臨してきたが、過去には不遇をかこった。
平成国際大学を卒業後に一般企業に就職したが、入社の条件だった外国人コーチの招聘を反故にされて退社。その後は個人的にスポンサーを募り、現在の所属先であるFAコンサルティングの支援を受けて単身、韓国に渡った。現地では元ナショナルチームコーチの金度希氏の指導を受けてレベルアップに努めた。
金コーチの助言もあり、国際大会で安定した成績を残すようになったが、コロナ禍で帰国。この1年間は母校や都内の施設でトレーニングを積んできた。安藤はバーベルを一気に頭上まで持ち上げるスナッチが苦手だったため、スナッチの指導に定評のある1974年アジア大会(イラン)銀メダルの三石悦雄氏に師事。三石氏の的確な助言もあって苦手を克服して日本勢唯一のメダルを手にした。