岡田彰布さんから阪神二軍コーチの打診 中日時代の恩人・星野仙一さんが推薦してくれた
1993年の日本シリーズで西武は3勝4敗でヤクルトに敗れ、4年連続の日本一を逃した。直後に私は球団幹部に呼ばれ、こう通告された。
「来年は契約しません。考えといてください」
戦力外通告なのに「考えといて」とは、選手側に他球団で現役を続行する意思があるかを確認するため。まだ続けたい場合は自由契約となる。クビになるのは変わらないが、今後の身の振り方について家族と話し合う時間をくれるのだ。
■「来年、編成はどうだ?」
数日後、「引退します。お世話になりました」とあいさつをすると、「来年、編成はどうだ?」と打診された。プロ野球の世界は毎年多くの選手が辞めていく。コーチや職員として球団に残れるのはほんの一握り。「よろしくお願いします」と頭を下げた。中日、巨人、西武で現役13年。通算980試合で1000試合出場には届かなかった。
球団のフロント職である「編成」の役割は、ドラフト会議、外国人選手、トレード、FAなどの補強、他球団の戦力分析、選手やコーチの査定や年俸調整などの仕事が主である。