マスターズにあって日本男子ツアーにないもの 「誰もがワクワクするコース選定」の大切さ
レイズクリークと呼ばれる小川は、グリーンに沿って斜めに流れ、グリーン左右への距離は見た目以上に大きな差がある。そのうえグリーン手前からクリークへは急斜面で、芝は短く刈り込まれている。少しでもショートすればボールはクリークに転がり込む。またショートを嫌がれば奥のブッシュにつかまるリスクがある。
ホールの周囲は高い樹木に囲まれて風が複雑に舞い、高いボールは影響を受けやすい。中島が「短いのに?」と首をかしげたが名設計家、A・マッケンジーによるメジャーにふさわしい難ホールなのである。
マスターズ会場のオーガスタ・ナショナルGCには12番パー3だけでなく、全ホールにさまざまなトラップを施している。波のようにうねり、“鏡”と称される高速グリーン。その周囲は複雑なマウンドがある。中島に限らず、世界中のトッププロたちがしのぎを削るのにふさわしい名舞台なのだ。
■国内大会に見当たらない過酷なホール
ところがわが国にはマスターズ会場のような舞台が見当たらない。