マスターズにあって日本男子ツアーにないもの 「誰もがワクワクするコース選定」の大切さ
「短いのに何でこんなに難しいんだろう?」
世界アマチュアランク1位資格で初めてマスターズに挑戦した中島啓太が、アーメンコーナーの12番パー3で味わった驚きと戸惑いの声だ。距離は155ヤードとウエッジやショートアイアンでも届くが、中島は初日ボギー、2日目ダブルボギーとパーセーブすらできずに予選落ちだった。
このホールでは過去にもさまざまなドラマが繰り広げられている。衝撃だったのは秋開催だった2020年大会だ。前年に5度目の優勝を果たし連覇を狙ったT・ウッズが、最終日にグリーン手前を流れるクリークに3度もつかまり、8オン2パットとキャリアワースト“10”を叩いた。
16年大会最終日にはJ・スピースが2位に5打差をつけて連覇が確実視されたが、12番で2度もクリークに打ち込む“7”で夢を断たれた。その他、R・マキロイ、G・ノーマンといった最強プロたちも12番パー3でつまずいて優勝を逃している。
距離の短いパー3であるが、グリーンは左から右奥への横長で、奥行きは狭く、ティーイングエリアからは細い帯のようにしか見えない。