ヤクルト史上最速M点灯でセは終戦ムード…2位・3位狙いを加速させる「CSの大問題」再燃
「エース級をヤクルトにぶつけていくしかもう、手だてはなくなってきたような気はします。それで5球団で追っかけるという形にしないと、このままではシーズンが終わっちゃいますよ」
3日、TBS系の「サンデーモーニング」に出演した元中日監督の落合博満氏(68)がこう言った。氏がここまで言い切るのも珍しいが、実際、今季のセ・リーグは早くもペナントの灯が消えようとしている。
■最短で8月12日に2年連続のリーグ優勝決定
開幕から首位を独走してきたヤクルトが2日、2リーグ制以降最速となるマジック「53」を点灯させた。この日のDeNA戦も11-4で圧勝。3位広島が敗れたため、マジック「51」とした。3日時点の成績は77試合で52勝24敗1分けの勝率.684。シーズン98勝という驚異的なペースで勝ち続け、最短で8月12日に2年連続の優勝が決まる。
過去の両リーグの最速優勝日は1990年巨人の9月8日。巨人はこの年、88勝42敗、勝率.677で2位の広島に22ゲームの大差をつけた。
「たしかにヤクルトにエースをぶつけるなど、ライバル5球団がヤクルト包囲網を敷かない限り、このまま終わる可能性は高いでしょう」
とは、名球会会員の評論家・山崎裕之氏。
「ヤクルトは22歳の4番・村上が三冠王をうかがう打撃成績(打率.307、29本塁打、78打点)を残すだけでなく、グラウンドやベンチで積極的に声を出し、闘志をむき出しにしてチームを牽引している。青木や助っ人選手の状態がイマイチでも、生え抜きの若手がカバー。たとえば高卒3年目で遊撃のレギュラーをうかがう長岡(20)はコンパクトなスイングでしぶとい打撃をしている。甘い球を本塁打にする小力もある。投手陣に関しても、高津監督が先発の中7日ローテを組むなど、負担がかからないようしっかりと管理している。今年は酷暑となり、屋外の神宮球場を本拠地にしている点がやや気になるが、他球団が苦手とするビジターでも30勝8敗1分けと高勝率を誇っている。今のところ、スキが見当たりません」
ヤクルトの連覇は間違いなし、というムードになりつつある中、前出の落合氏とともに番組に出演した元DeNA監督の中畑清氏(68)は、司会の関口宏氏から「(セは)1強5弱。(3位)広島も(2位)巨人も、3位までに入ればいいってなってませんか?」と振られると、こう語った。
「あの制度(クライマックスシリーズ=CS)があるっていうのはちょっと問題になってきましたね。それでもチャンスがあるシステムに問題アリっていうのもあると思います」