佐々木朗希は首脳陣の助言を“右から左”…大谷・イチロー・松井秀にも通じる「頑迷力」
若手がプロでつまずく理由のひとつは、首脳陣の言うことを聞き過ぎることだ。コーチどころかOBや周囲の人たちの言うことを聞き入れ、言われた通りにやっているうちに自分を見失って訳が分からなくなるケースは多い。
■二軍に落とされてもフォームは変えない
そこへいくと、プロで大成した選手の多くは首脳陣の言うことなど聞かない。二刀流の大谷翔平しかり、イチローしかり、松井秀喜しかりだ。大谷は日本ハム時代、首脳陣のアドバイスをニコニコしてうなずきながら聞き流していたとか。オリックスに入団したばかりのイチローは振り子打法を変えない限り使わないと二軍に落とされ、涙を浮かべて悔しがったが、それでも打撃フォームは変えなかった。松井にしても首脳陣の話がヒントになることはあっても、自分自身が納得しなければ実践しなかった。
佐々木朗が登板予定だった17日のオリックス戦は雨天中止、次回は19日の楽天戦で投げることになった。投球数はいまだ100球に満たないし、10割の力で投げる体も出来上がっていない。指先にマメが出来やすい体質でもあるうえ、ここ2試合は計11回と3分の1で13安打8失点で2連敗中だ。課題は多いとはいえ、そのポテンシャルの大きさはもちろん、頑迷な部分は大成した先人たちに共通するだけに、彼ら同様、とんでもない選手になる下地は十分ある。