ジャッキー・ロビンソンの“遺産”を活用せざるを得ない…大リーグでの黒人選手の実情
ニューヨークのダウンタウンにジャッキー・ロビンソン博物館が開館した。
初めて構想が持ち上がってから14年の歳月を経て今年9月5日に一般公開を開始した同館は、大リーグ史上初のアフリカ系アメリカ人選手であるジャッキー・ロビンソンの遺品約4500点と写真約4万点を展示している。
大リーグだけでなく米国のプロスポーツの歴史にとっても画期的な出来事が起きてから75年という節目の年に、ロビンソンを顕彰する博物館が開設されたことは、それだけ彼の功績が大きいことを示している。
また、同館ではロビンソンが積極的に携わった公民権運動に関する資料の展示もなされており、1950年代から60年代にかけて起きた米国社会の大きな変化がどのようなものであったかを知るための重要な手掛かりを与える。このようにみれば、博物館は野球を通して米国社会のあり方を学ぶための重要な場所ということができるだろう。
■雲散霧消の黒人リーグ
ところで、1947年以降の展開を見れば、ロビンソンがアフリカ系アメリカ人も大リーグ選手となれる事実を示したことは、黒人リーグ衰退の始まりでもあったことがわかる。