村上宗隆の飛距離の源は体の後ろ側の押し込みと足の裏の「地面反力」の強さ

公開日: 更新日:

 注目度では大谷、ダルビッシュらの大リーガーに劣るかもしれない。だが、日本球界が誇るこの投打の柱も間違いなくワールドクラス。昨季2年連続の投手4冠を果たしたオリックス山本由伸(24)と、日本人最多のシーズン56本塁打をマークして史上最年少の三冠王に輝いたヤクルト村上宗隆(23)だ。野村ヤクルトの黄金時代を強打で支えた元中日巨人コーチの秦真司氏が村上のフォームを分析した。

 ◇  ◇  ◇

 写真は昨年10月の日本シリーズ時のものだ。昨季は史上初の5打席連続本塁打に、日本選手最多で歴代2位のシーズン56本塁打。打率.318、134打点で史上最年少の三冠王に輝いた。遠くに飛ばせる飛距離はもちろん、打率も残せなくては三冠王は取れない。

 2021年までと比べてグリップの位置が変わった。以前は耳の位置にあったが、①で弓を引くように捕手寄りに構えるようになった。インパクトまでの距離が取れるため、飛距離は出る。体重を後ろの左足に6、右足に4くらいの比重で待ち、すっと右足を上げる。

 ①~③のテイクバックで股関節のあたりのズボンにシワが入っている。力をためられている証拠で、このねじれが爆発的なパワーを生む。軸足の左足がほぼ動いていない。

 足を上げてタイミングを取り、④~⑥のステップではこちらも左膝、頭、右肩が動いていない。普通はある程度スエー(前へ体重移動)してしまうため、なかなかできないことだ。ブレが少ないことでミート率も上がる。

 ⑥で踏み出した右足とグリップの距離が離れている。「割れ」というが、右肘をしっかり張れていることもパワーを伝えることができる要因だ。これは長距離打者特有のもので、打球が遠くへ飛ぶ秘訣である。

 ①~⑦の左膝の向きが真っすぐ正面を向いている。力を逃がさず、軸足に力をためている状態で自分のポイントまで我慢できているため、変化球にも対応できる。

 ⑦でトップの位置がしっかり決まっているのもいい打者の条件だ。ここにくるまでヒッチやコックといったグリップ周りの余計な動きが一切ないため、ボールへの対応力が上がり、いつでも打てる状態がつくれている。

 ⑥~⑦で右足親指の母指球から地面に着地しているが、つま先が投手の方向に開くことなく、45度をキープしている。ここから体をねじる動作が始まり、右足が地面に着いてもまだ左足が動いていない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    佐々木朗希「開幕メジャー確約なし」のナゼ…識者は《朗希サイドの非常識な要求》の可能性を指摘

  2. 2

    佐々木朗希の「独りよがりの石頭」を球団OB指摘…ダルやイチローが争奪戦参戦でも説得は苦戦必至

  3. 3

    下半身醜聞の西武・源田壮亮“ウラの顔”を球団OBが暴露 《普通に合コンもしていたし、遠征先では…》

  4. 4

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”

  5. 5

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  1. 6

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 7

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 8

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  4. 9

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  5. 10

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース