全日本大学野球選手権で注目 ドラフト上位候補4人の「武器と泣きどころ」
辻本倫太郎(仙台大/内野手・右投げ右打ち)
名門・北海高で主将を務めた。身長は167センチと小柄だが体重は73キロだ。鍛え上げられた分厚い胸板と太い四肢を持つ。
「去年から体重は増えていないけど筋肉の質は良くなりました。週3回ほどやるウチの筋トレはめちゃくちゃキツイ。15時から20時まで練習し、食事を挟んで20時半から90分、専属のトレーナーさんのもとでケガに気を付けながら、クタクタでもガッツリやっています」
こう話す辻本は仙台大でも主将として遊撃を守り、春季リーグは通算12試合で打率.342。今大会では2回戦の東日本国際大戦で同点の七回に勝ち越し3ランを放ち、8強入りに貢献した。自身のPRポイントを聞くと、「球種や打者のスイングごとに一球一球、予測と準備をしている守備、勝負強い打撃、客観視して試合をつくれるところ」と即答した。某球団スカウトがこう言う。
「現時点で順位までは分からないが、ドラフトにかかる素材。守備は俊敏性があり、グラブさばきが柔らかいのでプロでも通用する。特にキャプテンシーが気に入りました。ナインだけでなくスタンドの応援席を鼓舞していた。その姿勢は内野手に不可欠な要素です。ただ、コロナ直撃世代なだけに、実戦不足の感は否めない。例えばエンドランの時、状況に応じた打撃の技術が物足りない。そこが伸びしろとも言えますが……」