夏の甲子園では見られない逸材たち 地方大会で敗れた「高校生ドラフト候補5人」の真価
高野颯太(内野手・176センチ・90キロ・右投げ右打ち=三刀屋)
今夏の島根大会は強豪・石見智翠館に敗れ、初戦敗退。それでも高校通算29号を左翼スタンドに叩き込み、視察に訪れた8球団のスカウトに長打力をアピールした。
今年4月にはU18日本代表候補強化合宿に参加。2月に左手有鉤骨を骨折しており、本調子ではない中での異例の抜擢だった。
パのスカウトが言う。
「パワーはもちろん、スイングの柔らかさも兼ね備えている。打撃面での素質、伸びしろは十分すぎるほど。後は性格面。何をするにも一生懸命で、野球にも真摯に取り組んでいる。大阪桐蔭などの強豪校の選手に比べると子どもっぽさが目立ちますが、根が純粋なのでしょう」
とはいえ、このスカウトは「ドラフトでかかるかどうか……」と、こう続ける。
「難点は守備の拙さ。石見智翠館戦でも三塁手の高野のエラーから大量失点しており、内野守備はとてもプロでは通用しない。外野も一応守れるが、足も速くないし、守備範囲も狭い。打撃は良くても守備面が大きく足を引っ張る。今のところ、育成なら面白い選手かもしれません」