江藤慎一の流浪のプロ人生 監督が6畳一間のアパートに「野球さえできれば何でもええんじゃ」

公開日: 更新日:

■兼任監督に招聘された史上初の両リーグ首位打者に用意されたのは…

 ところが、太平洋は選手が八百長に関与したとされる黒い霧事件によって戦力が大きくダウンした西鉄を引き継いで誕生したチーム。球団は中村オーナー個人が所有して経営する方式で、スポンサーの太平洋も石油ショックで売り上げが激減したため、大きな支援は見込めないという財政的に厳しい状況だった。単身赴任の江藤に用意されたのも、6畳一間のアパートという監督とは思えない住居。東京から遊びに来た娘が、あまりの待遇のひどさに驚いていると江藤は言った。

「俺は野球さえできれば何でもええんじゃ」

 この年、近鉄から取った土井正博が本塁打王、日本ハムから移籍の白仁天が首位打者に輝き、チームは初のAクラス入りを果たす。しかし「闘将」と呼ばれ、チームメートからもファンからも愛された江藤はシーズン終了後に解任され、再びロッテへと移っていった。

(清水一利/ライター)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”