阿部新体制を支える巨人編成部門の課題…フロント主導のチーム作りに舵を切るチャンス

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オリックスもかつての日本ハムも、共通するのはフロントがときの監督の意向より何より長期的視野に立ったチームづくりをしたことです。素質ある若手を抜擢すると判断すれば、ときには監督が好んで使うベテランを放出、ポジションにあえて穴をあけることもいとわなかった。そして編成責任者はドラフトであれば監督ではなく、スカウト部門の責任者の意向を全面的に聞き入れた。大枠を話し合うことはあっても、その部門の専門家の見立てや評価に従って選手を指名していった。そうやってフロント主導で獲得した新人を育成、時期を見計らってデビューさせることによって、チームの新陳代謝を繰り返していったことが好結果につながった」

 吉村編成本部長スカウト担当の編成責任者としての能力は未知数だ。ドラフトにしてもFAにしても、これまでは全権監督がすべてを仕切ってきたわけだし、実質的な編成に携わったのは21年オフからで経験はほとんどないからだ。

 が、なにもかもひとりでやる必要はどこにもない。オリックスやかつての日本ハムのように、ドラフトにしろFAにしろ、球団内のエキスパートと大筋を話し合ったうえで彼らに任せればいい。長期的視野に立ったうえであくまでもフロント主導のチームづくりをしていくことが、阿部新監督はもちろん今後の指揮官にとっても結果としてプラスになるはずだ。(つづく)

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