青学の原晋監督は今なぜ「箱根駅伝改革」で気炎を吐く?大会の全国化訴え、収益構造にも異論
優勝をはずみに、大きなうねりにしたい
「今回の原監督は本気ですよ」というのは、箱根路を走った経験のある実業団選手だ。
「週刊誌では大会中継局から学連に(放映権料として)3億円しか払われていないことや、学連が各大学に分配する強化費の金額まで公にした。箱根が100回大会を迎え、例年以上に注目度が増すことから、これまで無視されてきた箱根の改革案を再度主張し、大きなうねりにしたいのです。選手ファーストの考えに全国の駅伝ファンがバックにつけば、学連も大会の全国化や収益に関する件でも何かしら動かざるをえなくなるという計算でしょう」
とはいえ、駅伝ファンでもあるビジネス評論家の菅野宏三氏が「原監督は箱根とは無縁の中京大のOBで、指導している青学は箱根の常連校では新興勢力です。テレビのワイドショーなどでいくら正論を述べても、おもしろくないと思っている学連幹部もいるでしょう。それは自分でもわかっているはずです」とこう続ける。
「今回は2季連続の学生駅伝3冠がかかる駒大の1強といわれていますが、自分の主張を通すためにも、どうしても優勝したいでしょう。優勝すれば多くのマスコミに持論を発信することができるし、優勝監督の発言なら説得力もある。箱根路を走るメンバーも監督の考えは理解していると思いますね」
駅伝ファンを味方にすれば山は動くか。