ドーピング問題で米国が5.7億円支払い拒否…世界機構(WADA)とガチンコバトルに突入へ
WADAの予算は、IOCと各国政府が半分ずつを負担している。米国が今回支払わなかった360万ドルは、WADAの年間予算の約6%を占めるが、春日氏は「あくまでIOCや各国が補填できる金額。WADAが立ち行かなくなることはないでしょう」と話す。
さらに春日氏は、WADAによる“反撃”の可能性を指摘する。
「これまで逃れてきた米国の五輪出場選手たちの薬物違反が暴露される可能性があります。米国の選手は、WADAのとは異なる米国独自のドーピングコントロールのおかげで守られてきた部分がある、とみる向きもありますからね」
USADAは昨年、禁止薬物の陽性反応を示した米国の陸上男子短距離エリヨン・ナイトンに対し、「薬物に汚染された肉を摂取したことが原因である可能性がある」と判断。資格停止となる違反はなかったとして、米国代表の選考会への出場を認め、そのままパリ五輪にも出場、波紋を呼んだ。
両者はどうやって落とし前をつけるのか……。