阪神藤川監督は胸中複雑? 才木浩人が大谷斬り!ド軍指揮官のベタ褒めは《社交辞令ではない》
佐藤輝明は「大谷超え」のスイング速度
0-0の四回無死一、三塁で迎えた第2打席、サイ・ヤング賞を2度獲得した左腕・スネルの152キロ高め直球をコンパクトに振り抜き、右翼席に叩き込んだ。
2ストライクに追い込まれてからの技ありの一打に、前出のロバーツ監督が「素晴らしい打者。力負けしないスイングをされた」と称えれば、米中継局のインタビューを受けていたフリードマン編成本部長も「スネルが左打者に打たれるのはめったにない」と驚いた。
「編成トップが驚くのも無理はない」とは、前出のメジャー関係者だ。
「スネルは対左打者に絶対的な自信を持っている。メジャー通算9年間で15本しか本塁打を打たれておらず、通算被打率もわずか.195。まだオープン戦とはいえ、そんな全米屈指の左キラーから打ったのは価値がある。佐藤輝はまだ、メジャーに知られた存在ではないが、この日は大谷を上回るスイングスピードも計測(佐藤輝=約127.3キロ、大谷=約126.7キロ)。ここまで振れるのは大きな武器。よほど体幹が強いのでしょう」
その佐藤輝は会心の一撃に「狙ってはいなかったんですけど、前に飛ばす気持ちで、最高の結果になってよかった」と笑みを浮かべた。才木と同様、昨オフにポスティングによるメジャー挑戦を直訴しており、今月は侍ジャパンメンバーとしてオランダとの強化試合に出場。来春のWBCでも代表入りする可能性がある。
メジャー相手に躍動した2人に、藤川球児監督(44)は複雑な気持ちを抱いているのではないか。
指揮官はキャンプ中、「開幕4番」が濃厚な森下翔太(24)も含めたメジャー志向がある3人から、その思いについて話を聞いたといわれている。
「藤川監督もメジャー経験がある。3人の思いは尊重しつつも、まずはシーズンに向けて謙虚に足元を見つめながら夢に向かって進んでほしい、という気持ちを伝えたのではないか」(コーチ経験のある球団OB)
藤川監督は前日のカブス戦を含めて連勝したことに、「選手個々にとっては有意義な時間だったと思う」としつつも、「日本のペナントレースが待っている。個人個人の財産にして、チームとしてはまた明日からシーズンに向けて準備をする。それに尽きます」と勝って兜の緒を締めた。
これが才木と佐藤輝に向けたメッセージなのかどうかはさておき、今後はエースと主砲の周囲が騒がしくなりそうな雲行きだ。