「御家人やくざと無頼犬お笑いくだされ」沖田正午著
<不良侍と野良犬異色のコンビ>
天保11年5月、白九郎はやくざ者に追われ、あやうく川に落ちるところを野良犬に助けられる。牙が黒いその犬は、なんと白九郎に話しかけてきた。牙黒と名付けたその犬と話が出来るのは自分だけのようだ。聞くと、牙黒は数年前にエサにありつけずに弱っているところを白九郎に助けられ、その恩返しの機会を待っていたという。親から勘当され、賭場荒らしで食いつないできた白九郎は牙黒に諭され生活を改める決意をする。さらに、牙黒からおはぐろを入れられた経緯を聞き、憤慨した白九郎は、その元凶である旗本を懲らしめるために一肌脱ぐことに。
不良侍と野良犬のコンビが活躍する痛快時代小説。
(徳間書店 619円)