「がんになって生きるということ、死ぬということ」常蔭純一著

公開日: 更新日:

 がんという病と闘い亡くなった、19人の著名人の最期の生の物語。

「漫画の神様」と呼ばれた手塚治虫氏は、平成2年に胃がんでこの世を去った。胃に不調を感じ、検査を受けたときには、すでに胃の全摘出が不可欠なほどがんが進行していたという。幸い術後の経過は順調で、すぐに3本の連載漫画の執筆を開始。まるで生き急ぐかのように精力的に仕事に取り組んだ。

 亡くなる1週間前、手塚氏は混濁する意識の中でこんな言葉を口にする。「頼むから仕事をさせてくれ」。漫画を究めようと走り続けた、プロフェッショナルの姿がそこにあったという。

 井上ひさし、本田美奈子、梨元勝、団鬼六など、彼らの終末との向き合い方と死にざまから、人生とは何かを学び取りたい。
(潮出版社 1500円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した