新選組の無名隊士を描いた短編集を上梓 小松エメル氏に聞く
「いちばん書きにくかったのは、近藤勇の養子になった近藤周平ですね。状況に流されて生きているので考えが読めない(笑い)」
入隊はしたものの、自分の立ち位置がつかめなくてとまどう隊士の姿には、現在の若者と共通する憂いが感じられる。
「今回は番外編でしたが、次は王道を狙って(笑い)沖田と土方を描く本編の新選組を書こうと思っています」
▽1984年、東京都生まれ。母方の祖父がトルコ人で、エメルにはトルコ語で「美しい、優しい、強い」の意味がある。国学院大学文学部史学科卒業。08年、明治人情妖怪譚「一鬼夜行」でジャイブ小説大賞を受賞し、作家デビュー。主著に「夢追い月」「うわん 七つまでは神のうち」など。
(講談社 1600円)