「腸が寿命を決める」澤田幸男、神矢丈児著
腸に大きな負担をかけてさまざまな疾患の原因をつくるのが、肉類をたっぷりと使った欧米型の食事であると著者は説く。
動物性タンパク質は悪玉菌の格好のエサであるため、肉類を食べ過ぎると発がん性のあるものも含めた有毒物質が腸内で大量に作られることになる。血管内に入り込み血液によって運ばれた有毒物質は、免疫細胞によって攻撃される。しかしこのとき、全身で小さな炎症反応が起こるため、インスリン抵抗性が高まって糖尿病になりやすくなるという。
また、バターや生クリームなどの乳製品を取り過ぎると、脂肪が小腸のリンパ管を経由して血液に流入し、脂質異常症や動脈硬化のリスクを高めることにもなる。人間の免疫の80%を担うといわれる腸の健康を改めて見直してみたい。
(集英社 740円+税)