時代小説でめぐる「東海道五十三次」編

公開日: 更新日:

■第24宿〈金谷〉「ああ三百七十里」杉本苑子著

 語り手は、将軍吉宗に献上するため長崎から江戸まで陸路を運ばれた実在の象。

 享保14(1729)年、「私」(カニシカ)は交趾国(ベトナム)から連れてこられたが、船が長崎に着いた夜、別の一頭が象使いに殺されてしまった。「私」は長崎市民の目の前で敵を踏み潰すという復讐を遂げるが、この一件から日本人は「私」を凶暴な動物と信じ込む。さらに京都で天皇に拝謁したときも、便意に耐えられず粗相をやらかし、「私」の評判は地に落ちる。

 しかし、増水した大井川の渡河のときのこと。強行突破を図った船が転覆、護送役と船頭が川に投げ出される。「私」は奮闘し、彼らを助けたのだ。(「江戸の漫遊力」収録 集英社 現在は絶版)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カブス鈴木誠也が電撃移籍秒読みか…《条件付きで了承するのでは》と関係者

  2. 2

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  3. 3

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  4. 4

    薬物疑惑浮上の広末涼子は“過剰摂取”だったのか…危なっかしい言動と錯乱状態のトリガー

  5. 5

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  1. 6

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  3. 8

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  4. 9

    松田聖子は雑誌記事数32年間1位…誰にも負けない話題性と、揺るがぬトップの理由

  5. 10

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ