時代小説でめぐる「東海道五十三次」編

公開日: 更新日:

■第34宿〈吉田〉「天明の密偵」中津文彦著

 生家が伊勢神宮の御師を生業とする白井秀雄に、吉田藩主・松平信明らから蝦夷地探索の話が舞い込んだ。御師は伊勢参拝の手引きをする表の顔とは別に、各地の情報を提供するのが裏稼業。

 学者として芽が出ずにいた秀雄は気が進まないながらも引き受け、天明3(1783)年、吉田を後にする。最初のうちこそ探索の成果を報告していたが、信濃、越後、出羽の道筋を進むうち、秀雄は旅の途中で接した風俗や民俗に興味を抱くようになる。松前から戻ったあとは秋田を拠点に東北の風俗調査に明け暮れる――。(PHP研究所 800円+税)


【連載】ザッツエンターテインメント

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 3

    立花孝志氏の行為「調査要求」オンライン署名3万6000件に…同氏の次なるターゲットは立憲民主党に

  4. 4

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  2. 7

    オリ1位・麦谷祐介 暴力被害で高校転校も家族が支えた艱難辛苦 《もう無理》とSOSが来て…

  3. 8

    斎藤元彦知事に公選法違反「買収」疑惑急浮上しSNS大炎上!選挙広報のコンサル会社に「報酬」か

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議