ゾンビ映画の歴史を一望する天下御免の意欲作
この新解釈=再定義をもとに、続編「ゾンビ」(78年)では「人を食らうゾンビにより人類が滅亡する」様式を追求。他監督の「ゾンビ映画」の手本となる一方、先が見えない閉塞感や絶望感など終末的雰囲気は、後世に絶大なインパクトを与えた。ちなみに「スプラッター・シネマ」という用語も、ロメロ自身の言葉が語源になっている。
1930~2013年の時の流れを横軸に、製作の裏話や社会・文化状況を縦軸に重ね合わせる。いわば「ロメロ史観」にのっとり、ゾンビ映画の生々しくも痛々しい細部にあえて踏み込む、天下御免の意欲作だ。