「優しいサヨクの復活」島田雅彦著
原発再稼働や安保法案を機にブラック化した政権にノーを突きつける市民が路上から声を上げ始めた。10万人規模のデモは、実に40年ぶり。この変化の芽を摘み取られないよう、日本の未来を考える機会が継続的に維持されることを願って、作家ならではの視点で論じる現代日本論。
日米同盟強化しか念頭にない政権は、現行憲法を改めようとする一方で、沖縄にさらなる犠牲を強いても日米安保条約はかたくなに守ろうとする。それは日米安保を憲法の上位に置こうとする政治方針だと批判。憲法の本質、アメリカの本音、隣国関係、そして転換期を迎えた資本主義社会の行方まで。目から鱗の論点で何に怒り、何を主張すべきかを教授する。(PHP研究所 800円+税)