「揺らぐ街」熊谷達也著

公開日: 更新日:

 東日本大震災から1カ月後、文芸編集者の亜依子は上司の小暮から被災地の宮城県・仙河海市出身の作家・武山に原稿を依頼したいと相談される。武山は、7年前に新人賞を受賞してデビュー。しかし、教員試験の準備と執筆の両立が難しく、その後、一作も発表しないまま、音信も途絶えていた。

 小暮は被災地出身の作家として武山を再デビューさせたいようだが、被災地を題材にすることに逡巡する亜依子には、小暮の話に乗り気になれない理由がもうひとつあった。元恋人の聡太の出身地も仙河海だったのだ。そんな中、担当する大物作家・葵が仙河海を舞台に作品を書くと言いだし、亜依子も取材に同行する。

 港町・仙河海市を舞台に大震災を描き続ける作家による最新長編小説。(光文社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」