「大量廃棄社会」仲村和代、藤田さつき著
「たくさん作って、たくさん買って、たくさん捨てる」。それが当たり前になってしまった「大量廃棄社会」の現実を問うルポルタージュ。
例えば洋服。試算では、年間10億点もの新品の洋服が廃棄処分されているという。その廃棄現場を取材しようと業者を取材するが、イメージを守りたいブランドから守秘義務が課されているため取材は難航。洋服の在庫廃棄の背景には、前シーズンの商品の価値を下げて新しい商品を売るというアパレルのビジネスモデルがあるという。
「捨てることになってもたくさん作ったほうが儲かる」という、その仕組みを支える衣料品製造現場の過酷な実態なども取材。
他にも、恵方巻きが社会問題になった食品ロスなどを取り上げ、その問題の背景と解決策を考える。
(光文社 880円+税)