「渋沢栄一」今井博昭著
日本最初の銀行をはじめ、生涯に500社を超える企業の創立・運営に関わった日本の「近代資本主義の父」の青年時代を描く評伝。
その人、渋沢栄一は天保11(1840)年、現在の埼玉県深谷市の豪農の家に生まれた。17歳の時、父の名代として面会した代官の高圧的な物言いに反発し、幕府政治に疑問を抱く。やがて尊王攘夷に傾き、討幕計画を進めるが、幕府に捕まった仲間を救出するため、悩んだ末に一橋家に仕官。会計・財務にたけた栄一は、使節団の一員として渡欧し、多くのことを学ぶ。
その渡欧中に明治維新を迎え、帰国した栄一は、請われて明治政府の官僚として働き始める。
農民生まれの栄一が、34歳で実業界に転じるまでの波乱の半生を描く。
(幻冬舎 840円+税)