「ベストセラー伝説」本橋信宏著

公開日: 更新日:

 1960~70年代の青少年たちを夢中にさせた雑誌や書籍を世に送り出した関係者たちを取材したノンフィクション。

 終戦直後、秋田書店を創業した秋田貞夫は、旧知の画家・福島鉄次とコンビを組み「冒険王」を昭和20年代最大の少年雑誌に育て上げる。さらに同社が1969年に創刊した「少年チャンピオン」は先行の「サンデー」「マガジン」を追い抜き、少年誌初の200万部突破を達成。当時の編集長・壁村耐三氏は、あの手塚治虫に罵声を浴びせ、原稿を「遅い」と放り投げるほどの恐れを知らぬ人物。一方でスランプに陥った手塚を見捨てず「ブラック・ジャック」で再生する手助けもした。

 その他、ノストラダムスの大予言や試験に出る英単語集などベストセラーの陰に名編集者あり。

 (新潮社 760円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動