「忖度と腐敗」田中稔著
先日、在職歴代最長記録となった安倍首相。権力と予算が集中する1強政権下で、忖度と腐敗の政治は深刻化し、とても民主主義とは思えない様相だ。
たとえば、2018年、首相官邸報道室長が要請した、東京新聞の望月衣塑子記者に対する質問制限。
望月記者が「辺野古での埋め立て工事に、環境に悪影響を与える赤土を投入しているのでは」と質問したことについて、一方的に事実誤認と断定し、批判。これは市民の「知る権利」の侵害にあたる。
他にもジャーナリストの安田純平氏に対する自己責任論の危うさ、森友・加計学園の闇、秋田市民を激怒させたイージス・アショア配備計画まで安倍政権下で起こった疑惑を一つ一つ丁寧に掘り起こし、腐敗ぶりを白日の下にさらす。
(第三書館 1800円+税)