「スーパー大陸 ユーラシア統合の地政学」ケント・E・カルダー著 杉田弘毅監訳
世界の陸地の3分の1以上を占めるユーラシア大陸は最大のエネルギー埋蔵量をもつ。ロシアなどのエネルギー余剰国は石油とガスを輸出して得た外貨で中国、日本、韓国、ヨーロッパとの貿易を行い、相互依存関係を構築してきた。20世紀には政治的にも分断されていたが、ロシアの第3次プーチン政権や習近平政権誕生を契機に、相互に影響し合うユーラシア大陸主義が生まれたのだ。トランプ政権による厳しい環太平洋通商政策を受けて、この連携は強化されつつある。さらに運輸、金融、産業の歴史的変化により、中国と欧州を結ぶ無数の経路が構築されている。
ハーバード大学日米関係プログラムの初代事務局長が、新しい世界秩序の未来図を解き明かす。
(潮出版社 3500円+税)