「合唱 岬洋介の帰還」中山七里著
富裕層の子どもたちが通う高砂幼稚園に刃物を持った男が侵入し、大人2人と幼児3人が殺された。犯人の仙街不比等は覚醒剤の常習者だ。心神喪失として刑法第39条が適用され、無罪になるのではないかと、検事の天生(あもう)は危惧していた。
刑事の取り調べに対して仙街は、覚醒剤を打っていたので殺人の記憶がないという。取り調べのさなか、宇賀事務官がトイレで席をはずした。天生はなぜか睡魔に襲われ、意識を失う。警官に揺さぶられて目覚めた時、天生の目の前で仙街が銃で撃たれて死んでいた。宇賀が部屋を出た直後、銃声が聞こえたと警官が言った。
ピアニスト・岬洋介が親友・天生の無実の罪を晴らす警察小説。
(宝島社 1500円+税)