「なんで家族を続けるの?」内田也哉子、中野信子著
樹木希林を母に、内田裕也を父に持つ内田氏は、小学生の頃、親の職業を尋ねられ、会社員と専業主婦と答えていたという。両親はわずか数カ月同居しただけで以後、45年間別居生活だった。家族のだんらんを知らずに育った氏が、脳科学者の中野氏と家族をテーマに語り合う対談集。
中野氏によると、そもそも「家族における父親と母親の脳科学的な本来の役割」はないという。「社会が大きく変わっても柔軟に適応して、どんな環境になっても子は育つ」のであり、どんなカタチの父親・母親でも間違いではないのだと。
希林流子育てや、氏が高校生のときに離婚した中野家、そしてお互いの自らの家庭生活まで。プライベートを赤裸々に明かしながら縦横無尽の話題で家族について考える。
(文藝春秋 935円)