「殿様商売」井川香四郎著
幕府・大目付の右京は、元服の折、越前国の葛野藩領のうち五村を拝領した。しかし、実務は人任せで一度も訪ねたことがない。そんな中、能登の輪島で北前船による抜け荷(密貿易)が行われていると耳にして、隠密で現地を訪ねる。さらに佐渡島の金山に人足を送り込む幕府の船が何者かに襲われ、大勢が逃げ出す事件も起きていた。
抜け荷と難破事件の関係を疑い旅を続ける右京だが、武装集団に襲われ窮地に。
同じころ、金沢城下の漆物問屋の若旦那・鷹太郎は、現れた老侍に自分が実は能登松浪藩の藩主の息子だと聞かされ動揺する。藩内では藩主を亡き者にしようとする謀反が起きているという。
将軍家のご意見番・大河内家の男たちの活躍を描く時代シリーズ「暴れ旗本天下御免」第2弾。
(徳間書店 814円)