「メキシカン・ゴシック」シルヴィア・モレノ=ガルシア著 青木純子訳
資産家の娘、ノエミ・タボアダは、イギリス人のヴァージル・ドイルと結婚した従姉のカタリーナの様子を見に行ってほしいと父に頼まれた。父の元にカタリーナから手紙が届いたのだが、その内容は、夫に毒を盛られているとか、亡霊にさいなまれているという異様なものだった。
ノエミがカタリーナの屋敷を訪ねると、カタリーナは下の町のマルタ・デュバルに薬を調合してもらうよう頼む。マルタはノエミに、あの一族は呪われていると言い、かつてドイルの娘ルースが、結婚式の1週間前にライフル銃で花婿と母親らを撃ち殺して自殺したことを教える。
ビクトリア朝洋式の屋敷を舞台にしたゴシックホラー。
(早川書房 3300円)