「親衛隊士の日」ウラジーミル・ソローキン著 松下隆志訳

公開日: 更新日:

 2028年、皇帝に仕える親衛隊士(オプリーチニク)のアンドレイは、その日もいつものように仲間とおそろいの赤いベンツ「メーリン」で陛下に反抗的な貴族の館に乗りつけ、主をその場で絞首刑に、妻は輪姦後に放逐、そして屋敷は爆破する。赤の乱(社会主義時代)と白の乱(資本主義時代)を経て、ロシアは16年前から絶対的権力を握る皇帝が支配する聖ルーシ(ロシアの古名)時代を迎えていた。アンドレイら親衛隊は、皇帝の威信を守るためにこれまで数え切れぬほどの人々を処分してきた。その日、枢密庁に呼び出されたアンドレイらは、また陛下からある指示を受け、動き出す。

 プーチンの皇帝化を予言したといわれるディストピア小説。

(河出書房新社 1408円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  2. 2

    「二刀流」大谷翔平と「記録」にこだわったイチロー…天才2人の決定的な差異

  3. 3

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  4. 4

    橋本環奈『おむすび』はNHK朝ドラ視聴率ワーストほぼ確定…“パワハラ疑惑報道”が致命傷に

  5. 5

    中居正広氏は37年で築いた資産喪失の瀬戸際…不動産複数所有で倹約家も「違約金+α」の脅威

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  3. 8

    “かつての名門”武蔵の長期低落の深刻度…学習塾「鉄緑会」の指定校から外れたことも逆風に

  4. 9

    石丸伸二陣営に都知事選での公選法違反疑惑…矢面に立たされた渦中の「T氏」の正体と釈明

  5. 10

    橋本環奈「おむすび」浮上の足を引っ張るギャル衣装のダサさ…「カムカム」「ばけばけ」も逆風に