「山奥ビジネス」 藻谷ゆかり著
都会と地方の物流と情報の格差が一挙に縮まり、「山奥」でもビジネスを展開する人々が現れ始めた。そんな山奥ビジネスの実情や自治体の取り組みを紹介するリポート。
熊本県山都町は、県内45市町村中2番目に消滅可能性が高いと指摘された人口1万4000人足らずの過疎の町。1989年に家業の酒蔵を継ぐため銀行をやめUターンした山下泰雄氏は、人気オンラインゲームと町の伝承を結び付けた商品を開発して低迷していた売り上げを伸ばした。さらに熊本地震を機にIT企業を誘致。若い世代がスタッフとして町に移住してきている。
他にも人口400人足らずの北海道岩見沢市美流渡地区の行列ができるパン屋など。
新しい時代のビジネスのあり方のヒントを学ぶ。
(新潮社 858円)