「孤独のレッスン」齋藤孝、中条省平ほか著
「孤独のレッスン」齋藤孝、中条省平ほか著
時代の変化にコロナ禍まで加わり、孤独の状態にいる、孤独を感じている人が多くなっている。孤独はどこからくるのか、孤独とどう向き合うか、17人の識者が語る孤独論。
齋藤氏によると、若い人は「常にSNSで人とつながっている」状況が顕著だという。常に人からどう見られているのか気にしながら自分をとらえようとしている彼らは、自意識を他者によって絶えず刺激され続けているため、精神が徐々に消耗していると指摘。その上で、自らが孤独と対峙した若き日、自分を保つために身につけた仏陀の呼吸法を紹介する。
他にノーベル文学賞作家のカミュの晩年の孤独を語る中条氏や冒険家の角幡唯介氏が語る単独行の本質など。読めば孤独を受け入れ、味わい、楽しむ勇気が湧いてくる。
(集英社インターナショナル 979円)