「悪魔には悪魔を」大沢在昌著
「悪魔には悪魔を」大沢在昌著
20年ぶりに帰国した元傭兵の将は、接触してきた麻薬取締官の菅下から、将の双子の兄・良を捜す手伝いをして欲しいと頼まれる。
ある事件を機に高校を中退して家を出て以来、将は兄と連絡も取っていない。菅下とともに麻薬取締官として働いていた良は、2カ月前に麻薬密売組織に用心棒として潜入したが、ひと月前に姿を消し、連絡も取れないという。兄になりすまし、密売組織を探り、行方を捜して欲しいというのだ。
応じた将が、潜入捜査中に良が出入りしていた赤坂のベトナム料理店を訪ねると、暴力団の幹部や女刑事などさまざまな人物が現れる。やがて良がベトナム人の闇組織「クィー」を調べていたことが分かる。
生死の分からぬ兄の行方を捜す元傭兵を主人公に描くハードボイルド。
(講談社 1265円)