「未闘病記」笙野頼子著

公開日: 更新日:

「未闘病記」笙野頼子著

 難病を患い、今も死の恐怖に脅かされる日々が続く自らの闘病体験をもとに書かれた私小説。

 2013年2月12日の就寝中、焼けるような発熱と耐えられない全身の痛みに襲われ、ベッドから出るのも困難な状態に。3日後、ようやく家を出られるようになり、検索して見つけた近所の医院を訪ねると、書き込まれた問診票を見た医師は診察もせずに近くの国立病院へ行くよう言う。渋々と国立病院で検査を受けた結果、筋肉が炎症を起こし急速に壊れるなど、膠原病の4種類の症状が体内で現れる「混合性結合組織病」と診断される。

 思い返せば、思春期から説明ができない体の不調と向き合いながら生きてきた。病気の症状とそれに向かう葛藤、そして苦痛まで赤裸々につづった闘病文学。

(岩波書店 1408円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動