「マゼラン船団」大野拓司著
「マゼラン船団」大野拓司著
2021年は1521年にマゼランがフィリピンに到達して500周年だった。マゼランは初めて世界一周をした人物として知られるが、実はフィリピン諸島で殺され、世界一周を成し遂げたのは、船団の生き残りだった。
ヨーロッパは東京から札幌と同じくらいの高緯度の地で、地中海沿岸以外は植生に乏しく、熱帯アジアと違って中世末期は頻繁に飢餓が起きていた。香辛料を求めて航海に乗り出したが、壊血病などで次々と船員が倒れる。船団5隻のうち、フィリピン諸島にたどり着いたのは3隻だけだった。マゼランはマクタン島の首長、ラプラプと戦い、刀で切られて死ぬ。
「世界一周」の意外な真実を描くノンフィクション。
(作品社 2970円)