「旅する練習」乗代雄介著
「旅する練習」乗代雄介著
小説家の「私」は、中学受験をしてサッカーの名門校に合格した姪、亜美から、春休みに鹿島まで一緒に行ってほしいと頼まれる。昨夏、滞在した合宿所の本棚の本を持ち帰ってしまったので、返しに行きたいというのだ。
私は、鹿島スタジアムでのサッカー観戦のついでに本を返しに行く1泊旅行を計画。
しかし、新型コロナウイルスの流行で計画が頓挫してしまう。
私は学校も臨時休校になってしまった亜美を鹿島までの徒歩旅行に誘い出す。我孫子を起点に利根川沿いを歩き始めた2人は、ドリブルやパスをしながら歩き、私は気になった風景を文章でスケッチ。その間、亜美はリフティングを続ける。そんな中、同じように歩いて鹿島を目指すみどりさんと出会う。
三島由紀夫賞と坪田譲治文学賞のダブル受賞作。
(講談社 704円)