本作がゴジラ映画の金字塔だと思う要因のひとつは音楽で、伊福部昭によるメーン曲が素晴らしい。「ダンダン、ダダダ」といったワンテンポでグイグイ押してくるサウンドは、伊福部音楽の紛れもない代表作であり、冒頭、4チャンネルの音響設備からこの曲が流れた時には、涙腺が緩んだほどだった。
70年のリバイバル公開時、約23分が削られ、約74分の短縮版で公開されたという。今回は切られたネガが見つかり、オリジナルと同じ97分バージョンになった。初公開時、子どもたちが熱狂したように、今回もまた大人にも多くの子どもたちにも見てほしい。
(映画ジャーナリスト・大高宏雄)