“伝説のマフィア”末裔が語る 日本ヤクザの風習と高倉健
洋の東西でアンダーグラウンドの世界に身を置いたマリオ氏だが、日本のヤクザ社会独特の風習には驚いたという。
「不始末があると小指を詰めるというのを知らなくて、最初はみんな大工仕事をしていて誤って指を落としたと思ってたんだ。それにしては多いなあと(笑い)。一緒に露天風呂に行ったときは全身の入れ墨にも驚いた。マフィア社会はピアスや入れ墨を入れる風習はないし、口ひげもカストロを崇拝するコミュニストと疑われるからNGだったしね」
日本語を学習するために日本映画をよく観賞したというマリオ氏。中でもお気に入りは高倉健の作品だった。
「彼はサムライです。銀座の三越の2階の喫茶店で偶然にお会いして話をした記憶は忘れられません。亡くなる数年前に目黒通りで健さんが運転するポルシェを見かけたこともありました。並走して信号待ちの時にウインドーを下げて挨拶しようと思ったら私の車が大阪ナンバーのベンツだったからか、思いっきりアクセル踏んで走り去っていったこともありました(笑い)」
現在は日本人の妻と結婚し、穏やかな日々を送るマリオ氏。すでに自伝には映画化オファーが殺到している。
「私の役を演じるなら誰が適役だって? アンディ・ガルシアなら最高だね」